フッ素は、自然界に広く存在する化学元素で、原子番号9を持つ非金属元素です。歯科においては、虫歯予防の効果から注目され、多くの製品や治療に利用されています。
歯科におけるフッ素の利点:
虫歯予防: フッ素は、歯のエナメル質を強化する作用があります。特に、フッ素がエナメル質に取り込まれることで、より酸に強いフルオロアパタイトが形成され、酸によるエナメル質の溶けてむし歯になるのを防ぎます。
再石灰化の促進: エナメル質が部分的に溶解した後、フッ素の存在下での再石灰化は、エナメル質をより強固にすることが示されています。
皮膚を擦りむいた後にカサブタができるのと同じで、歯にもカサブタができます。それを再石灰化といいます。
細菌の活動の抑制: フッ素は、むし歯を引き起こす細菌の代謝を阻害し、酸の産生を減少させることが知られています。
歯科でのフッ素の応用:
フッ化物歯磨き粉: 日常の歯磨きに用いられる歯磨き粉には、虫歯予防のためのフッ化物が含まれているものが多いです。
フッ素塗布: 定期的な歯科検診の際に、高濃度のフッ素ゲルを歯に塗布することで、虫歯の予防効果を高めることがわかっています。
フッ素洗口剤: 日常のオーラルケアとして、フッ化物のうがい薬が利用されることがあります。
フッ素は、歯科医師の指導の下、適切な量での使用をしなくてはなりません。
総じて、フッ素は適切に利用することで、歯の健康を維持し、虫歯のリスクを低減する強力なツールとなります。
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